D.Y.F.Cオンラインアカデミー NIPPONぐるり地形学
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NIPPONぐるり地形学

第8回目:沖縄

沖縄

沖縄県は日本の南西端に位置し、東西約1000キロメートル、南北約400キロメートルの海域に多数の島々が広がる。九州南部沖から台湾東部まで弓状にカーブを描いて伸びる南西諸島のおおよそ南半分を占めている。この南西諸島に沿うように南西諸島海溝(琉球海溝)があり、最深部は沖縄本島南東沖で、約7500メートルにも達するといわれている。
黒潮が流れるあたたかい海に囲まれている沖縄県は、日本で唯一、亜熱帯海洋性気候に属している。高温多湿が特徴だ。 河川は大小あわせて約300。川の長さは短く、降った雨はすぐに海へ到達する特徴がある。ほとんどの島の周囲にはサンゴ礁が発達している。

沖縄という地名の由来

沖縄

「沖縄(おきなわ)」という地名は、「沖あいの漁場」を意味する「おき(沖)な(魚)は(場)」を由来とする説が有力。他にも「沖にある場所」「遠い場所」を意味する「おき(沖・遠い)なは(場所)」を由来とする説などもある。
四方を海に囲まれている沖縄の海には、マグロ、イカ、ブリ、タカサゴ(グルクン)、アジ、アカハタなど豊かな生態系が広がる。
黒潮に乗って赤道付近のあたたかい海水が運ばれてくる沖縄の海は、一年を通してあたたかい。

空を見上げて虹色を探そう!石垣島を上空から見た写真。島の周辺にリーフが広がり、リーフエッジには白波が立っている。

沿岸にはリーフが広がる

沖縄インリーフ:リーフ内側の浅く静かな海
アウトリーフ:リーフエッジを越えた外側

沖縄の海は世界的にみて、サンゴの種類と量が豊富であると言われている。世界の海には約800種類のサンゴが棲息しているが、沖縄では、その半数近くが確認されている。
サンゴが豊富な沖縄沿岸は、リーフが広がっているところが多い。リーフとは、潮が引いた時に姿をあらわすサンゴ礁を含む礁(ショウ=岩やサンゴでできた磯)のこと。
干潮時にはリーフエッジ(際)まで歩いていくこともでき、「リーフエッジフィッシング」を楽しむ人も多い。リーフより内側は浅く穏やかだが、リーフエッジを超えると海が急に深くなるので、十分気をつけたい。リーフエッジは沖合からの波が当たることで白波が立つので、その位置を推測することができる。
またリーフを歩く時は、サンゴ礁を踏みつけて脚をケガしたり、逆に、サンゴ礁を傷つけることのないよう注意が必要。

マングローブフィッシングも人気

沖縄

沖縄での釣りをするなら、マングローブが生い茂る汽水域でのフィッシングもおすすめ。ちなみに、マングローブというのは熱帯·亜熱帯地域の汽水域に生える植物の総称。沖縄本島では、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギなどの植物がマングローブ林を形成している。
マングローブの特徴は大きく広がったその根元。根元にはカニやハゼなどの小さな生きものが棲息し、それらを捕食するため大きな生きものたちが集まってくる。
マングローブフィッシングでよく釣れるのは、マングローブジャック(ゴマフエダイ)。
ちなみに、日本でマングローブを見ることができるのは、沖縄県以外では鹿児島県の奄美大島などごくわずか。リーフフィッシングもマングローブフィッシングも、沖縄が独特な地形と気候であるため、楽しめる釣りなのだ。

【参考】
笹川平和財団 海洋政策研究所 島嶼資料センター、海上保安庁海洋情報部、沖縄観光·沖縄情報IMA「沖縄の海遊びの注意」、沖縄総合事務局「沖縄の山·川·海をとりまく特性」、海洋産業展オンライン「沖縄の海·日本の海」、沖縄観光情報WEBサイト「おきなわ物語」、外務省HP、沖縄県企業局
Infographics by HIROKI MASUDA © GLOBERIDE