高本采実 先生
近畿大学農学部水産学科を卒業し、在学時はサメやマグロをはじめとした魚の研究に没頭。
現在はSNSや各メディアにて釣りと共に魚の生態をはじめとした豆知識をイラストと共に発信するなど、魚の魅力と釣りの魅力を伝えるために活躍中。
ふっくらサクサクで美味しいキスの天ぷら!
で人気なシロギス
今回は、そんなシロギスの水温に対する産卵と摂餌について
◆産卵
産卵期は6月中旬〜9月上旬(水温21.6℃〜)
産卵盛期は6月下旬〜7月中旬(この約30日間で総産卵数の2/3以上が産出される)
この産卵期の間は、
1日1回、2時間以内程の時間をかけて産卵を行います。
日没前後に産卵しますが、産卵期が進むにつれて時刻が遅くなる傾向もあります。
ちなみに孵化率は、1日の産卵数が多い時に高い傾向があります。
◆摂餌
基本的には、産卵盛期以外で水温8.0〜29.0℃の範囲内だと
日間摂餌量は水温が高いほど多くなります。
(※日間摂餌量:1日あたりに摂取するエサの量)
水温が8.0℃以下になると、
エサに対しての関心もなくなり全く摂餌を行わなくなります。
シロギス親魚の体重に対する日間摂餌率は
・2月下旬(水温9.0〜10.9℃)⇒1.53%
・4月上旬(水温13.0〜13.9℃)⇒4.58%
・8月下旬(水温27.5〜28.0℃)⇒6.50%
というように高水温で食欲旺盛になります。
この量、人間(成人70kg)で例えると
1日で「キスの天ぷら80匹分」完食してる程に…!!
(70kg成人:1日あたり4.5kg分の食事量(←平均の2〜3倍))
(キス1匹56.25g換算)