高本采実 先生
近畿大学農学部水産学科を卒業し、在学時はサメやマグロをはじめとした魚の研究に没頭。
現在はSNSや各メディアにて釣りと共に魚の生態をはじめとした豆知識をイラストと共に発信するなど、魚の魅力と釣りの魅力を伝えるために活躍中。
マダイの近縁種、チダイ!
タイラバ等の釣りの際、
たま〜にマダイに混ざって釣ったことがある方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
そんなチダイたちの「エサの探索・摂食行動」に注目すると、、、!
行動の特徴により、6パターンに分類されます。
(マダイ・キダイ 共に稚魚の場合)
①sand pecking <砂をつつく>
砂表面を軽くついばみます。
この時、砂はほとんどすくい上げません。
②digging <砂を掘る>
砂表面を約5〜10mm程度すくいとります。
この時すくいとった砂は、口やエラの隙間から体外へと吐き出されます。
③blowing <砂を吹く>
砂表面を断続的または連続的に吹きます。
この後に砂をついばんだり(①)することもあります。
④substrate pecking <藻類・ロープ等をつつく>
藻類(コアマモ等)やロープ等の表面を軽くついばみます。
⑤water column feeding <海底からの浮上位置での摂餌>
海底から0.5m以上浮上し、浮遊餌生物を探索または摂食します。
⑥near bottom feeding <海底付近での摂餌>
海底から0.5m未満で浮遊餌生物を探索または摂食します。
上記6パターン、
マダイ稚魚やキダイ稚魚のエサの探索・摂食行動となります。
しかし近縁種ではあり、同種ではないのでもちろん違いがあります。
その違いが行動パターンの頻度。
マダイはチダイに比べ、
③blowing <砂を吹く>、④substrate pecking <藻類・ロープ等をつつく>
チダイはマダイに比べ、
②digging <砂を掘る>、⑤water column feeding <海底からの浮上位置での摂餌>
の行動がより頻繁にみられるのです。
(その他の行動パターンについては、種間における頻度の有意差はない)
チダイも秋がハイシーズン!
この知識を次の釣行へ活かすと釣果が変わったりして…