高本采実 先生
近畿大学農学部水産学科を卒業し、在学時はサメやマグロをはじめとした魚の研究に没頭。
現在はSNSや各メディアにて釣りと共に魚の生態をはじめとした豆知識をイラストと共に発信するなど、魚の魅力と釣りの魅力を伝えるために活躍中。
特大サイズのゴマサバはこれからまさに脂がピークに乗って旬を迎える時期。
生態を知って美味しいゴマサバ、釣ってみよー
ということで…
今回は釣り人誰もが気になる「視覚」について!
◆ゴマサバの視力の良さ
実はゴマサバは、沿岸魚の中ではトップレベルに視力が良いのです。(詳細は後ほど)
◆明暗順応
私たち人間も、
「暗いところ⇔明るいところ」で環境が変わる時に、明順応・暗順応しますよね。
ゴマサバの視覚もこの機能があります。
明順応(明るさに目が慣れて物が見えるようになること)については、20分〜30分間要します。
◆遠近調節
みなさん、スマホを見たりや読書をする際、目からどのくらいの距離までピントが合い文字が読めますか?
参考までに、人間の場合(正視眼,平均値)
20歳:近点約10cm
30歳:近点約14cm
40歳:近点約22cm
一般的には、近点が30cm以上離れると老眼鏡が必要と言われています。
(近点:目ではっきりと対象物を見ることのできる最も近い点)
この近点について、ゴマサバの場合は
眼前24cmから無限遠(遠いところ)まで
焦点を合わすことができると考えられています。
◆視軸・視力
乏しいながらも色覚があります。
視軸(視線。注視している方向。)は前上。
沿岸魚類の視力は0.1を下回る魚や0.15前後の魚も多数いる中、
なんとゴマサバの視力は0.18!(人間の視力に換算)
ちなみに、成長し体長が大きくなるほど、大きな水晶体をもつ傾向もあります。
魚の視覚についてはまだまだ気になることが盛り沢山
これからも一緒に学んでいきましょー
<参考文献>
Gunzo KAWAMURA(1979),Fundamental Study on Application of the Vision of Spotted Techniques-Ⅰ Importance of Vision Estimated from Brain Pattern,Visual Acuity of Retina,and Accommodation,Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries,45(3),281-286