高本采実 先生
近畿大学農学部水産学科を卒業し、在学時はサメやマグロをはじめとした魚の研究に没頭。
現在はSNSや各メディアにて釣りと共に魚の生態をはじめとした豆知識をイラストと共に発信するなど、魚の魅力と釣りの魅力を伝えるために活躍中。
西日本では特に姿がよく見られやすいキチヌ
これから迎える春には旬を迎えます。
今回はキチヌの生態についてー
◆性別
魚は性転換をする種が多くいることで知られています。
キチヌもその内の1種。
▷雌雄同体(シユウドウタイ)
キチヌは、同一個体がオスとメスの両方の役割を果たす雌雄同体です。
▷雄性先熟(ユウセイセンジュク)
さらに言うと、産まれてから成熟し大人になるまでオスとして育ち、やがてオスからメスへと性転換する雄性先熟です。
先にオスとして存在し、その後メスになるタイプです。
◆平均サイズ
変化を遂げる各平均サイズは
成熟サイズ:全長約291mm
性転換サイズ:全長約351mm
◆遺伝的分化
姿形がそっくりでも遺伝的に違う種も存在します。
しかし、日本産キチヌは全て遺伝的に均質であります。
日本では、西日本を中心に広く分布しておりますが、どの海域のキチヌもみんな同じ仲間なのです。
<参考文献>
Ahmad Syazni Bin Kamarudin(2014),Biological studies on the wild populations of yellowfin black seabream, Acanthopagrus latus in Japan, Graduate School of Biosphere Scienc Hiroshima University,6472