D.Y.F.Cオンラインアカデミー 4コマ水産学
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4コマ水産学

高本 采実

高本采実 先生

近畿大学農学部水産学科を卒業し、在学時はサメやマグロをはじめとした魚の研究に没頭。
現在はSNSや各メディアにて釣りと共に魚の生態をはじめとした豆知識をイラストと共に発信するなど、魚の魅力と釣りの魅力を伝えるために活躍中。

4コマ水産学「ホッケ」編

  • ホッケ
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美味しくて酒のあてにも最高なホッケの開き
もちろん、干物の姿でいるのは卓上の話…

今回は海の水面下でのホッケのおもしろい生態について

◆生息域
主に日本海沿岸(利尻・礼文島、武蔵堆、積丹半島、寿都湾周辺など)の岩礁地帯。
冬季は水深100mほどの大陸棚に生息

◆食性
動物性食(オキアミ類、魚類、イカ類、エビ類など)
普段は海底に落ちてくるプランクトンの死骸などを食べる。
というのも、他の魚のように鰾(うきぶくろ)がない為、泳いだり定位することは他の魚よりも体力を消耗するためです。

◆ホッケ柱
春季ブルーム(春先に植物プランクトンが大増殖する)が発生する時期、
ホッケが群れになって泳ぎます。
なんとその数3〜6万個体!
直径3m、高さ20mほどの柱状になるため
「ホッケ柱」と呼ばれています。

そのまま海水表面まで食べに行くと、ざっくり2つリスクがあります。
・体力をかなり消耗する(鰾がないから)
・海鳥に食べられる危険がある

そこで多数のホッケが群れとなり、泳ぐ際に出る渦の力により海面にいるプランクトンを下へと引き込みます。
こうすることで、海面に出ることなく
みんながごちそうにたっぷりありつける
というわけなのです

<参考文献>
Takashi Kitagawa,Takashi Nakagawa,Ryuji Kimura,Hiroshi Niino and Shingo Kimura(2011),Vortex flow produced by schooling behavior of arabesque greenling Pleurogrammus azonus,Nippon Suisan Gakkaishi,78(4),656

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