高本采実 先生
近畿大学農学部水産学科を卒業し、在学時はサメやマグロをはじめとした魚の研究に没頭。
現在はSNSや各メディアにて釣りと共に魚の生態をはじめとした豆知識をイラストと共に発信するなど、魚の魅力と釣りの魅力を伝えるために活躍中。
チヌの名で馴染みのあるクロダイ
クロダイの体質にも季節変化があります
◆冬季(1〜3月):越冬期
摂餌が低下し、体内に蓄積したエネルギーを使用し冬を越します
肥満度も3月が最小値となります。
◆春季(4〜6月):産卵期
4月に性成熟し、
水温18〜19℃で産卵が開始します
そしてなんとクロダイの産卵は1ヶ月にも及びます。
また卵質を上げるためにも
この産卵期に食生態が変化します。
◆夏季(7〜9月):活性上昇期
水温が上昇するとともに
代謝活性や摂餌活性も上昇します
活発な摂餌が行われていますが、
それは産卵回復に補填する為の可能性が高いとされています。
◆秋季(10〜12月):脂肪含量最大期
食欲の秋!これはクロダイも同じく
水温もクロダイにとって適水温で
摂餌量も増えます。
また夏季の活発な摂餌で産卵回復が現れた為、
秋季には特に10月、脂肪含量が最大となります。
そして脂肪等の栄養を体内に蓄えて
また次の越冬を迎えるための準備期間となります。
こうしてクロダイは季節ごとに変化し過ごしていくのです